湖・沈船・遺跡…視界不良の海でダイビングする時、役に立つヒント
ダイバーなら誰しも、暖かく透明な熱帯の青い海、どこまでも視界が開けた海、そんなところで潜りたいと思いますよね。でもそういう海は多くはありません。世の中には、そのような澄んだ海に簡単に行けてしまう人もいますが、おそらくこの記事を読んでいる方々は、視界が数メートルといった水域で潜っておられることでしょう。
しかし、視界の悪い海でのダイビングは悪いことばかりではなく、ダイバーたちにより多くの楽しみを与えてくれます。例えば、湖、川、沈船、マングローブ、入り江、ダムによって沈んだ村など、他にもユニークな水中世界があります。ほとんどの沈船は、透視度の悪い水域にあるので、視界不良のダイビングの知識がある人だけが、こういった宝物のポイントを探索できるのです。
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では、視界不良のダイビングには何が必要なのでしょうか?コンディションが悪い状況でのダイビングは、高度なダイビングスキルが必要になるので、自身のスキルアップに繋がります。水中ナビゲーションでは、ナビゲートするための視覚的な目標物がないので、正確にコンパスを使うスキルが必要です。ダイバーは付かず離れず、常にバディとのちょうど良い距離を保ち続けながら泳がなければなりません。そうでないと、ぶつかったり迷子になったりしてしまいます。付かず離れずバディとの距離を保つには、中性浮力のスキルアップになるでしょう。
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視界の悪い時のダイビングのヒント
ここからは、視界不良のときのダイビングのヒントをご紹介します。
1.事前計画
ダイビングポイントを良く知っていること。できれば、条件の良い時に潜ったことのあるポイントだと、ナビゲーションを計画する際にとても役に立つでしょう。もし、初めてのポイントでのダイビングを計画している場合は、以前そこで潜った他のダイバーに地形を教えてもらってください。
また、透視度の低い場合を想定して、役立つ器材を探したり入手する時間をとってください。ダイビングライト、ケミカルライト、反射板、高視界ライン、発光コンパスなど、視界の悪い場合に役立つ器材はいろいろとあります。
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2.ライトを使う
視界の悪い時のダイビングでは、ダイビングライトを使っても先が良く見えるようになる訳ではありませんが(濁りは粒子のせいなので)、濃霧のような中でバディがあなたを見つけやすくし、逆にあなたもバディを見つけやすくなります。
また、ダイビングライトだけでなく、BCDに反射テープを貼ったり、明るい色の器材を着用したり、ケミカルライトを見につけるといった方法も併せると効果的です。
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3.潜行ロープを使う
潜行ロープ、ダイビングボートからのアンカーロープは、視界不良のダイビング時の最善の潜行・浮上方法です。混乱したりバディを見失っても、同じロープを持っていると分かっていれば、再び仲間たちに出会う可能性は高くなります。
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4.ゆっくり行動する
透視度の低いコンディションでのダイビング中は、バディと常にコンタクトを取りながらゆっくりと進みます。周りの景色や魚に夢中にならないように。最初に足から潜行し、注意深く中性浮力をとりながら、フィンキックの回数を数えてみましょう。きっとリラックスしてダイビングが楽になるはずです。
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5.コミュニケーション方法を計画する
ダイビング前にコミュニケーション方法を決めておきましょう。視界の悪さによっては、講習の時に習った手の信号が使えない場合があります。タンクを叩いて音を出したり、ダイビングライトを点滅させたりするのが効果的です。潜水前には、それらの信号が何を意味するのか理解できるように、仲間たちの間で確認し合う必要があります。
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ダイビングを正しく計画し、上記のヒントを参考にしていただければ、視界不良のダイビングによってあなたはいくつものチャンスと、それを最大限に活用することができますよ。