神子元
1997年8月、男はある海に向かっていた。
目的は“ヤツ”に会う為だった。
しかし、ヤツは現れなかった。
その後も、足繁く通い、ヤツを探したが、そんな日に限り“ヤツ”は現れなかった。
そして、それから半年、一年が経ち、二年が過ぎようとしたある日、ついにその時が来た!
“ヤツ”との出会いは、偶然ではなく必然に思えた。
“ヤツ”、そう、通称ハンマーヘッド!
男は、その美しさ、格好良さ、迫力にすっかり魅了された。
そして男は、その海の虜になっていった。
時は過ぎ、2013年7月23日、男は再び、もう幾度となく、またその海に立っていた。
“ヤツ”は現れなかったが、不思議と男は笑みを浮かべていた。
なぜなら、ヤツとの出会いは、偶然ではなく、必然なのだから…。